(1)LED光と蛍光灯光との比較では、LEDの方が「ねじれ葉」が発生し易い。 緑色光を含まない場合、葉と葉の重なりが生じると、青色・赤色光は上面の葉がほとんど吸収され下面に位置する葉には届き難くなり、光合成速度が遅れて成長に差を生じる。一方、蛍光灯には緑色光が含まれるため、緑色光は下面の葉にも届き、光合成が行われる。
(2)LED光は配光性が狭く、乱反射させるには不利となる。LED光の栽培ベッドでは、乱反射させる反射板か反射シートを取り付け方が、生育のバラツキを防ぎやすい。
(3)エネルギー変更効率(消費電力の内)
変換効率とは、電気エネルギーを可視光線(人間の目で見ることのできる波長の電磁波)にどれだけ効率良く変換できるかという指標。
・蛍光灯:①可視光約20% ②赤外線30% ③熱50%
・LED :①可視光約30~40% ②赤外線0% ③熱60~70%(素子部で熱発生)
<参考> 配光性
図3-6 LEDの配光性 (日亜化学製のNF2W757DR-V1の仕様書より 一部改変)
①配光性とはLEDのどの方向の光が強いかというのを表したもの。
②一番強い光を1として、0°方向(正面)の光が最も強く、60°方向程度では半分ぐらいの
光の強度になり、そして、90°方向(真横)からはほぼ光は出ていないことを表している。
③直管形LEDランプには、ガラス製と樹脂製がある。樹脂は紫外線による劣化の恐れがあり、ガラスは割れる心配がある。
<参考>
(1)消費電力量と明るさの指標は、ルーメン/ワット
電気代削減では、エネルギー変更効率(消費電力の内)だけでなく、発光効率についても考慮する必要がある。
ルーメン/ワットは、消費電力1W当たりの光の強さを示す。いかに少ない電力で明るい光を効率良く得られるかを表す指標とも言える。ルーメン/ワットは、光源の全光束(ルーメン)を定格消費電力(ワット)で除算することで求められる。
例えば、Hf 32形の直管形蛍光灯(3,520ルーメン)の消費電力が32Wであれば、
3520÷32=110 lm/Wになる。白色LEDは160 lm/W(2014.8現在)と技術革新は進んでいる。10年前は約76 lm/Wであった。
全光束の値や消費電力の値をそれぞれ単独で比較しても、効率の良し悪しは見えてこない。効率が良い、つまり少ない電力で明るく光る照明を選ぶにはルーメン/ワットを計算して、1W当たりの光束を確認する。
(2)白色LEDでは、光の一部はLED内部に吸収されるか反射され続けて、LEDの外には出てこない。電力の3割程度は光として外部に出力さるが、残りの7割は熱エネルギーに変わってしまう。なお、LEDの発光効率は電力が大きくなるほど、あるいは周囲温度が上昇するほど低下する傾向にある。発光効率を高く見せるために微弱な電力で測定している場合があるため、発光効率の数字だけを比較してLED照明機器の優劣を判断しても、意味がない。
(LED証明推進協議会ホームページ2014.8よりhttp://www.led.or.jp/led/led_efficiency.htm)