事例31:追肥AとBをいっしょに溶解すると白濁を生じた。

1.何が起こったのか

 紛体の肥料を用いて追肥A作成後、その中に追肥肥料Bの紛体肥料を投入し、撹拌しても、

 溶解しなかった。慣れていない養液調製作業者に対する教育が十分でなく、ミス作業を行ってしまった。

 

2.原因は何であったのか。

(1)硝酸カリ、硝酸石灰、硫酸苦土、リン酸一アンモンの4種の肥料を同時に同じ容器で溶解すると、“リン酸石灰、・リン酸苦土”となり白濁沈殿する。

(2)無機鉄はリン酸と化合してリン酸第二鉄となり、白濁から茶褐色の沈殿物となる。 

1)硝酸石灰には純白色でなく茶色のものがある。そのようなものは鉄分を含有しており、リン酸を加えたとき化合して白濁する。

2)タンク内の配管やタンクの上蓋等に鉄製品が使用されていると、培養液中の硝酸、硫酸、また硝酸、硫酸の気化により侵食され、錆が生じる。その錆とリン酸が化合して白濁する。このような所にはステンレスや砲金以外の金属製品は絶対に使用できない。

 3) 使用する培養液の原水に、鉄分が多量含有されている場合。

 

3.対策方法と目標到達点

《目標到達点:発生ゼロ》

(1)追肥は肥料成分の溶解性から、AとBの二つに分ける。

(2)リンとカルシウムを高濃度で混ぜると、結晶化し不溶化してしまう。

(3)贅沢吸収される硝酸塩、カリ、リンが配合されているA液は吸収量が多いため、EC値が下がるので、管理機を使用する場合は、自動的に追肥が供給される。仮に、AとBが同量供給されると、Bから由来する成分濃度は高くなる。AとBのポンプスピードを変えるか、配合濃度を変える必要がある。

(4)新人の作業者への教育をおこなう。