事例30:養液温度が高温(25℃以上)になった。

1.何が起こったのか

夏場、養液温度が25~30℃となり、生育が遅れた。

 

2.原因は何であったのか。

(1)栽培室温度が高温になり、それに連動して養液温度も高温になった。

(2)使用している水道水の温度が高く、養液温度が高温となり生育が遅れた。

1)根の呼吸量増大 

2)根の活性低下 

3)養水分吸収能低下(特にカルシウムの吸収低下)

4)高温で根の呼吸量が増大する一方、溶存酸素量が低下するので、根の酸素欠乏が生じた。根端に酸素欠乏の障害がみられた。

(3)栽培室温度と養液温度の差が5℃以上の場合、設備上の問題点を検討する。

  例1)水道利用:水道配管が地上付近に配置されている、また貯水タンクが室外に設置されている場合、夏場に40℃以上になっていた。

  例2)地下水利用でも貯水タンクが室外に設置され、炎天下で高温になっていた。

 

3.対策方法と目標到達点

《目標到達点:養液温度を栽培室温度以下にする。》

(1)葉からの蒸散量を増やし、蒸発潜熱で葉温と栽培室温度を下げる。

(2)養液温度を下げる。

1)養液冷却装置を導入する。

  2)貯水タンクに直射日光が当たらないように、遮へいする。

  3)貯水タンクに冷却水をかけ流す。