3.発芽~育苗に関するトラブル 事例18:黄変したウレタン培地で発芽にばらつきが大きくなった。

1.何が起こったのか

黄変したウレタン培地(軟質ポリウレタンフォーム)に播種すると、発芽しない部分があり成長にもバラツキを生じた。

<経験則>

1)ウレタン培地を直接ダンボール箱に入れておくと、ウレタンの周辺が黄変する。ダンボールに使用されている接着剤の影響と考えられる。黒色のポリ袋に入れておくこと。

2)ウレタン培地を蛍光灯下に置いておくと、その影響で黄変する。

 

2.原因は何であったのか。

その影響のメカニズムは不明。アニリンの酸化物が原因物質であるかどうかは、試験していないので、決めつけることは出来ない。

 

3.対策方法と目標到達点

<目標到達点:黄変による発芽率低下を無くす。>

(1)栽培室内に持ち込むウレタン量は必要数量とする。黄変させない。

(2)変色したウレタン培地を使用しない。

(3)ウレタンの培地の保管

 1)栽培室にダンボール箱に入れたままのウレタンの培地を保管してはならない。

2)黒色のポリ袋に入れて、倉庫等で保管する。                     

3)作業性を考慮し、必要量小分けして栽培室に保管する。

 

<参考>

ウレタンはプレポリマーと硬化剤を攪拌して硬化させ、その硬化剤にアニリン(ベンゼンの水素原子の一つをアミノ基(NH)で置換した構造)という成分が配合される。空気中の酸素と反応して、酸化が進み黄変する。また、紫外線などの影響で分解する。