事例12 : 葉が蛍光管に接触すると、葉焼けが生じた。

1.何が起こったのか

 レタスが生長し、蛍光灯に接触した。接触葉部の葉焼けが生じた。

写真:2-5 葉焼け

2.原因は何であったのか。

(1)レタスの生育適温は外葉が20℃前後、根は約15℃と言われている。

葉が蛍光管に接触すると、葉温が高くなり、光合成反応が進まなくなる。

その結果、光エネルギーが過剰となり、余剰エネルギーが生じて、活性酸素生成を引き起こす。活性酸素が「吸収系」を破壊するか、もしくは修復を阻害する結果、枯れる、クロロフィルの破壊による変色等の光阻害を引き起こす。

(2)蛍光管の表面温度は50~70℃に達する。

(3)光合成反応に多くの酵素が関与しており、酵素は温度に依存する。炭酸固定酵素ルビスコは30℃位まではほぼピークで維持するが、葉温がそれ以上に上昇すると、急速に活性化率は低下していく。

(4)蛍光管に接触する部分の葉温は40℃以上となり、炭素同化反応は進まなくなる。

 

図2-1: 光合成速度とRubisco活性化率の温度依存性

 

3.対策方法と目標到達点

《目標到達点:葉焼けゼロ》

(1)栽培する野菜の背丈に応じて、栽培ベッドの高さを決める。

(2)背丈が蛍光管に届く前に収穫する。