事例47:ウレタン培地を付けたまま、出荷したらクレームがついた。

1.何が起こったのか

低細菌数や洗わずに食べられることを訴求している袋詰めレタスで、藻で変色したウレタン培地つけたま出荷したところ、変色したウレタン培地は安全なのか、との問い合わせがあった。

2.原因は何であったのか。

(1)藻(アオコ)は植物の一種であり、有害物質の問題は無いと考えられるが、マイクロシスチン等の毒が報告されている。マイクロシスチン等の製品に付着を避けるため、根部のウレタンを残したまま出荷してはならない。

(2)アオコにはミクロキスティスの他にアナベナという種類が混在することもある。

ラン藻という種類で、細菌に近い原始的な生物である。                  アオコはカビ臭の発生、浄水過程でのろ過障害などの問題を引き起こすとともに、アオコを形成するラン藻の一部が毒素を生産する。この毒素を含んだ水を飲むことによる馬や牛といった大型動物の死亡事件が世界各地で発生し、問題となった。1996年2月ブラジルでアオコが産生する毒の一つであるマイクロシスチンに汚染された水を透析に使用したことが原因で、透析患者50人が急性肝不全で死亡する事件が発生した。                                     世界保健機関は1998年3月、マイクロシスチンの飲料水中の暫定ガイドライン値(0.001 mg/l)を設定した。

(愛知県衛生研究所衛生化学部生活科学研究室のホームペ-ジより )

(3)人工光型植物工場製野菜では、ウレタン部分は取り除いて出荷しているところが、大半である。グリーンハウスで養液栽培している植物工場で、たまに見かける。

  藻は植物であり、安全と思っているようである。

 

3.対策方法と目標到達点

《目標到達点:クレームなくす。》

(1)収穫時、ウレタン培地部分に触れないように切り取る。切り取りに使用したナイフは毎回、微酸性電解水で殺菌する。

(2)洗わずに食べられることを訴求している野菜では、ウレタン培地部分は除去して、包装する。