1.何が起こったのか
(1)育苗装置を用いて、発芽・育苗を行っている。
このステージでは、従来、チップバーンの発生は見られなかった。
チップバーンが発生しているウレタン培地と発生していないウレタン培地があった。
ウレタン培地は同一保管されたもので、色調に差はなかった。
(2)従来と栽培条件に変わりはなかった。
栽培条件:
①栽培室温度:通路側20℃
②栽培室:湿度:85%
③発根状態:通常と大差なし
④側面の送風機は稼働していた。
⑤蛍光灯の交換は行っていない。
写真:2-6 苗の先端のチップバーン
2.原因は何であったのか。
(1)藻の発生による障害が有力である。ウレタン培地に緑色の藻が発生している。
(2)養液槽(写真の下部の200Lタンク)の養液に藻が発生しており、緑色養液に変化していた。その養液を循環使用しているので、藻の生育が早かった。
3.対策方法と目標到達点 《目標到達点:チップバーン発生をゼロにする》
(1)養液タンク中の養液管理を行う。
1)pHを8以下で管理する。pH8以上ななった場合、ダウン液(酸液)でpHを調整する
2)1ケ月の一度、全量更新する。
(2)藻の発生が多くなった場合、水槽を洗浄し、養液を交換する。
(3)発芽用養液に塩素酸濃度(HOCL)5ppmになる様に微酸性電解水を添加する。
養液中に存在するアオコが少ない場合は、発芽・育苗中にアオコの発生はほとんど見られない。しかし、アオコが多量に存在する場合は、ウレタン培地は緑色に変化する。
写真:2-7 微酸性電解水のアオコ抑制効果