8.収穫、包装に関するトラブル 事例43:収穫ハサミの切断で、切り口切断面が荒れ、褐変が進んだ。

1.何が起こったのか(参照 第3章 18.収穫用はさみ(フローリストナイフ)

  普通のハサミは刃が重なって初めて切れるので、刃2枚分、切断面をゆがめてしまう。 

 熟練された方であれば、切断面は綺麗に切断できるが、普通は難しい。また、切れの悪いハサミを使用すると、切断面の乳汁が多く分泌して、褐変が進んでしまう。

 

2.原因は何であったのか。

(1)鋭利に切断する目的は

1)乳汁の溢液量を少なくして、切り口の褐変を軽度にする。葉からの水分蒸散により、水分・養分は根からシュート(葉や茎部)移動する。切断された茎部は切り口からシュートに移動するので、切り口からの乳汁溢液を少なくすることが出来る。

2)切断面の細胞をつぶすと、細胞内の液胞もつぶれてしまい、乳汁分泌量も増え切り口の褐変が進む。褐変は細胞内の液胞中のフェノール類と、葉緑体中の褐変酵素 が接触することで生じる。

(2)茎部に何度も刃を入れると、乳汁の溢液量が多くなり、切り口の褐変が進む。

(3)乳汁を茎部切断後にふきとる。

(4)通常のフローリストナイフでは滑らせて手切る危険性もあるので、ハサミ型が良い。