事例7:栽培日数を延ばしたら、チップバーンが多発した。

1.何が起こったのか

収穫する野菜を大きくするため、栽培日数を42日から49日へと延ばしたら、チップバーンが多発した。内側の葉に発生する。

 

 

 

 

 

 

写真2-1 内葉に発生したチップバーン(レタスの外葉を除き、内葉に発生したチップバーン)

 

2.原因は何であったのか。

(1)栽培日数と収穫重量

  栄養成長の段階では栽培日数が伸びれば、野菜は大きくなる。

  (参照 第3章 13.栽培日数と栽培重量) 

(2)細胞強度が不足する。

  1)レタスの葉からの全体の蒸散量は多くなるが、養分は外葉の方に多く分配され、移動速度の遅いカルシウムの分配は少なくなる。

  2)内側部分は風の流れも少なく、高湿度になってしまい、二酸化炭素の供給が少なくなるので、光合成暗反応による炭水化物生産量も減じることになる。

 3)余剰の光エネルギーが活性酸素を作りだし、光阻害が生じる。

4)急速成長期は、細胞生長にカルシウム供給が追い付かず、細胞膨圧細胞強度になり易く、チップバーンが発生し易い。

 

3.対策方法と目標到達点

《目標到達点:チップバーン発生を従来と同程度にする》

(1)栽培日数を守る。

(2)成長を促進するため、栽培室温度(葉温)を若干高める。

(3)栽培室内の二酸化炭素濃度を、1,000ppmを確保する。

(4)温度、湿度のバラツキを減らす。(参考:第3章15.栽培室内の湿度・温度のバラツキの測定一例)