1.8 バラツキの少なく、成育の良い苗を使用する。
苗専用の育苗装置が普及し苗生産されており、苗の生育が良く、しかもバラツキが少ない。いわゆる『もやし状態』の苗は使用しない。バラツキが有る場合、成育が早く大きい苗と小さな苗は別の栽培パネルに植える。大小苗混在すると、大きな苗は光を奪い、ますます大きくなり、小さな苗との差が広がる。
1.9 栽培環境の安定化
栽培環境は、自然は不均一であるが完全人工光型植物工場ではほぼ一定である。植物は様々な環境変化に対応するが、個体全部が速やかに対応するわけではない。 気孔では開閉にバラツキが生じ、取り込むCO2量も異なってくる事で、光合成速度も違ってくる。自然環境では強光により光阻害を生じるは葉もあれば、低温による光合成能力の低下もある。生育に必要な資源の無駄が少なく、生育が早くなる。
1.10 養液更新で微量成分欠乏や自家中毒を防いでいる。
培養液は一定期間で廃棄し更新する。植物の成育抑制・収量低下を防ぐ。微量成分欠乏対策と連作障害対策のためおこなう。
環境汚染や水資源を無駄にする事にもなり、コストも掛かるので無駄な養液更新は避ける。自家中毒とは、植物の根が分泌する化学物質(アレロパシー物質)が、一定濃度以上になると生育抑制物質として働き、自根での養分吸収阻害を起こし植物の成育を妨げる。
アレロパシー物質の一例
レタス:バニリン酸、
パセリ:アジピン酸、
セロリ:乳酸、
チンゲンサイ:安息香酸
対策として活性炭(吸着)処理、過熱分解、微生物(分解)酵素処理などがあるが、費用がかかり現実的でない。そのため養液更新を行っている。