5.マイナスリスク管理

5.マイナスリスク管理
完全人工光型植物工場の経営は、周年安定生産が前提であり、1)栽培管理者の養成 2)生産性向上方法 3)マイナスリスク管理など、リスク管理が重要となる。

5.1 細菌数 
完全人工光型植物工場製野菜は、「低細菌数」「洗浄せずに食べられる」を商品の特長にしているものがある。その場合、コンプライアンスとして微生物管理が重要になる。
一般生菌数は菌数が問題になるが、食中毒菌はその有無が問題になる。
特に食中毒菌に対しては厳重な管理が求められる。食中毒菌は植物工場の最大リスクの一つであり、完全人工光型植物工場野菜を食中毒の原因食材にしてはならない。
(第5章 細菌の制御技術 参照)
5.2 機能性野菜 
 機能性を表示する場合の注意点
(1)主張する内容が客観的に実証されていること。
1)商品の表示で主張する事項の範囲は、実証されている事項の範囲であること。
2)実証の方法及び程度については、確立した方法がある場合には、その方法により、それがない場合には、社会通念上又は経験則上妥当と考えられる方法によること。なお公的機関が公表している数値や事実を用いる場合は、実証されたものとして取り扱われる。
3)調査機関は、例えば国公立の試験研究機関等の公的機関、中立的な立場で調査、研究を行う民間機関等が望ましい。
(2)実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
1)調査結果の引用の方法
①実証されている事実の範囲内で引用すること。
②調査結果の一部を引用する場合には、調査結果の趣旨に沿って引用すること。
2)調査方法に関するデータの表示
   調査機関、調査時点、調査場所等の調査に関するデータを表示することが望ましい。
   ただし、調査方法を適切に説明できるのであれば、表示しなくても差し支えない。
(3)分析の方法が公正であること。
クリアーすべきハードルはかなり高いことを知った上で、取り組む必要がある。なお、低カリウムや高カルシウム含有を表示する場合も、上記と同様である。

5.3 有害物質
 藻(アオコ)は植物の一種であり、有害物質の問題は無いと考えられるが、マイクロシスチン等の毒が報告されている。マイナスリスクであるマイクロシスチン等の製品に付着を避けるため、根部のウレタンを残したまま出荷してはならない。

5.4 安定生産
 周年安定生産出来なければ、事業経営にとって最大リスクになる。
 連作障害を回避する。アレロパシーなど